議会報告ASSEMBLY REPORT

2013.09.25 カテゴリ:平成25年9月定例会 南和地域公立病院新体制整備事業について

新病院の運営について、様々な事態を想定し、対策を検討しておくことが大切であると思うが、収益が上がらず赤字が続いた場合の市町村の負担割合について、どのように考えているのか。

 

 

 南和地域公立病院新体制整備事業についておうかがいいたします。
 私は県南部選出議員として、一日も早い、新たな医療体制の整備を目指して、この計画には強い関心を持って関わってまいりました。これまで地域を支えてきた3つの公立病院を、県と南和の1市3町8村市町村で構成する南和広域医療組合により再編統合し、新体制の病院を作るという大きな事業に対して、真摯に取り組む医療関係者のみなさん、そして県のみなさんの努力には本当に頭が下がります。計画の実現に向けて、私も共に努力することをこの質疑の冒頭で改めてお誓い申し上げます。

 

 さて、この事業の総事業費は平成24年1月31日に開催されました第7回南和の医療等に関する協議会の資料によりますと158億円です。住民の命を守る新しい病院を作るというのは非常に大切な事業であり、大切な事業であるからこそ、これだけの血税を注がれるのだということを私たちは何よりも忘れてはなりません。だからこそ、私はこの病院の計画、そして運営について関係の皆様には慎重になっていただきたいと思います。
 過去の協議会の資料や整備スケジュールを見返しますと用地確保の計画や事業費の各項目の金額が何度か変わっておりますし、病院用地購入費をはじめ各事業費についても、予算額が設定されているのにも関わらず、「交渉中」や「基本設計策定後見直し」との注意書きがありました。予定や計画には何事も変更はつきものとはいえ、事業の根幹をなす用地購入が「交渉中」となっている資料を見ると、不況が続き医療を取り巻く環境も悪化する中、この事業そのものが曖昧な中を手探りで進んでいるような印象を受けます。
 実際に関係者の皆様の御苦労が絶えない部分かと思いますが、せっかく新しく病院を作るのですから、打てる手は事前に打ち、この病院をしっかりと地域に根付かせなければならないと思いますので、計画については慎重に検討を続けるとともに、進捗状況を報告していただきたいと考えます。

 

 その中でも、受益と負担について、おうかがいしたいのですが、こちらについては平成23年11月の第6回協議会の資料によりますと、イニシャルコスト、ランニングコスト、出資金について、県及び南和1市3町8村の負担割合が既に決定されています。
 経済状況や自治体の財政力が現状から大きく変わらなければ、この負担割合で計画通りに進めることが可能かと思います。しかし、経済の大幅な悪化や、大水害や大震災などの発生により、自治体そのものの存在が危うくなるような事態が発生した場合、このような自治体相互間の負担で支える仕組みは機能しなくなるおそれがあります。現に、東日本大震災では、津波被害によって沿岸の一部の自治体で、自治体機能そのものが壊滅状態になりました。そのようなことが再びあってはなりませんが、しかし天災だけはいつ何が起きるかわかりません。
 また、現状から考えると、今後、新たな病院が南和地域に出来るような、医療環境の変化は考えにくいかと思います。そのような中、今まで県立五條病院、大淀町立病院、国保吉野病院の3病院に分割されていた機能を一つにまとめるということは、いざというときにリスクを分散できないということも考慮すべきではないでしょうか。

 

 受益と負担を考える中で、私が特に懸念するのは、ランニングコスト、即ち新体制における病院の収支見通しです。
 過疎化に加えて少子高齢化で人口が減少する一方の県南部で、私は収益が大幅なプラスになることは考えにくいと思います。
 様々なコストを軽減して効率的な運営を目指すにしても、病院にとってスタッフは財産ですから、この部分を節約すれば即質の低下につながります。南和の新病院はこれからの南和の救急医療を担うわけですから、なおのこと手厚い人の配置が求められます。
 今までも吉野病院や大淀病院、五條病院では医師や看護師の確保には苦労してまいりました。特に医師については、県立医大からの派遣に頼ってきましたが、患者数が減少する状況では、必要な医師数を充足させることが益々難しくなるのではないでしょうか。
 どうしても医師を確保できず非常に高額な報酬を提示して募集している地域もあります。奈良県の場合、そこまでの事態は考えにくいかと思いますが、しかしこの先、医療事情もどうなるかわかりません。

 

 円滑に新病院を運営し、収益を上げて南和の医療を充実させるために、今も関係者の皆さんによって計画が進められているとは思います。
 しかし計画は大切ですが、計画ありきで、そこに縛られて柔軟な運営が出来なくなれば、せっかくの新病院をうまく機能させることが出来ません。様々な事態を想定し、対策を検討しておくことが非常に大切かと思います。
 先ほど申し上げましたように、自治体間の負担割合についても、自治体の財政力の大きな変動や、病院の収益が上がらず赤字が続く場合など、様々なリスクが考えられます。
 各自治体の負担割合に基づく現時点での負担見込額についても、既に構成団体の了解は得られているようですが、もし収益が上がらず赤字が続いた場合の市町村の負担割合はどのようにお考えでしょうか。知事の所見をお聞かせください。

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