議会報告ASSEMBLY REPORT

2013.09.25 カテゴリ:平成25年9月定例会 子宮頸がんワクチンの接種について

 子宮頸がんワクチンの接種について要望いたします。
 改正予防接種法の施行により平成25年4月1日から子宮頸がん予防ワクチン、HPVワクチンが定期接種化され、小学校6年生から高校1年生の女子に無料で接種されることになりました。
 しかし、副反応に対する指摘や一部の保護者からの声を受け、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会は6月14日、積極的勧奨を一時差し控える方針を発表いたしました。
 厚生科学審議会感染症分科会・予防接種部会において7ワクチンの定期接種化の検討が行われ、Hib、小児用肺炎球菌、HPVについては予防接種法上の定期接種に位置付けるべきと提言されたことにより、子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業が開始されたのは平成22年です。
 厚生科学審議会の資料によりますと、この間2種類ある子宮頸がんワクチンのうち、サーバリックスは全国で約700万回接種され、1705件の副反応報告があり、うち重篤なものは91件、もう一種類のワクチン、ガーダシルは約170万回接種され、263件の副反応報告がされており、重篤なものは15件報告されています。
 奈良県では23,166人に対し66,322回、子宮頸がん予防ワクチンの接種が行われており、幸い重篤ではなかったものの、副反応報告は23年度に7件あったとのことです。

 

 今回、厚生労働省の決定は、積極的な勧奨は中止するが定期接種は継続するとの内容になっています。
 HPVワクチンの副作用について、頻度は少ないものの原因不明の慢性的な痛みが続く事例が複数報告されることを重視し、リスクをわかりやすく説明する情報を整理するまでの暫定的な措置とのことで、国において副反応報告について可能な限り調査を実施し、速やかに専門家による評価を行い再開の是非を判断される予定と聞いています。
 県では厚生労働省からの通知を受け、速やかに各市町村に周知し、医療機関への適切な対応を求めるとともに、県ホームページで注意喚起情報の掲載を行うなど県民への周知もされたとのことですが、定期接種開始からわずか2か月でのこのような事態となり、行政および医療に携わる皆さんには大変ご苦労があったこととお察し申し上げます。
 国の調査・判断結果が示され次第、速やかに対応するとのことですが、その際にはどうか県民が不安に陥らないよう、徹底した情報公開を行っていただきたいと思います。

 

 ところで平成17年、今回と同じように日本脳炎ワクチンにおいても積極的勧奨の中止が勧告されました。その後、平成21年に新しい日本脳炎ワクチンが承認されたことによって、同年6月から接種が再開されています。
 またHibワクチンや小児用肺炎球菌ワクチンについても、死亡報告が相次いだことにより2011年3月、一時的に接種が見合わせられました。これについては厚生労働省医薬品等安全対策部会安全対策調査会、子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会の合同開催で複数回の検討が行われ、ワクチンと死亡の間に明確な因果関係が認められないことや、海外でも因果関係がわからない死亡例が一定数報告されていることなどにより、同年4月1日に接種が再開されています。
 死亡例があったとのことで接種が一時的に中断されていたことから、その後の再開に際しては、小さいお子さんを抱えた保護者の方の不安というのは非常に大きいものではなかったかと思います。
 子どもを病気から守りたい、だけど、そのために打ったワクチンで逆に健康を損ねたり、ましてや命を落とすような事態にはなってほしくない。それは子を持つ親なら共通の思いかと思います。

 

 健康を脅かす病気をあらかじめ予防することは私たち人間の悲願とも言えます。医学の進歩によるワクチン開発は様々な病気による危険性から私たちを守ってきました。
 一方で副作用による身体障害や、時には死に至ることもあり、福音と危険というもろ刃の剣のような部分を持ち合わせていることも事実です。
 予防接種については、国レベルの議論であり、県としては国の判断を待つしかない現状であることは私も十分理解しておりますが、何よりもまず、先ほども申し上げましたが、県民に対する十分な情報公開が大切であると考えます。
 子宮頸がんワクチンについては、被害者の方の声や製薬会社の説明、また医学の側からの意見についても多様な意見があり、そもそも必要のないワクチンではないかという声まであって、マスコミでは様々な情報が飛び交っています。私がそれらを拝見しましても、もはや何が正しいのか、何を持って予防接種について判断すればいいのかわからないような状況です。

 

 また今回の厚生労働省の対応も「定期接種化は続けるが、積極的勧奨はしない」という非常に玉虫色の決定であり、これでは国民が混乱するばかりでしょう。

 

 県民が安心してワクチン接種が受けられるよう、子宮頸がんワクチンによる副反応に関する情報を広く収集し、因果関係など徹底した検証と解明を行い、その結果を速やかに情報提供していただくよう、要望いたします。

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