議会報告ASSEMBLY REPORT

2016.01.13 カテゴリ:平成27年12月定例会 本県経済の活性化について(1)

次に、本県経済の活性化について、質問いたします。

緊急経済対策として国の2014年度補正予算に盛り込まれた4,200億円の地域住民生活等緊急支援のための交付金のうち、2,500億円が「消費喚起・生活支援型」としてプレミアム商品券の発行などの財源となり、1,700を超える自治体がプレミアム付き商品券を今年5月以降に発行しました。

額面よりもお得に買い物が出来るということで、この商品券は非常に話題になりましたが、プレミアム商品券という施策は何もこの緊急経済対策に始まったものでなく、これまでからも各地で様々な形で発行されてきており、奈良県も規模は異なりますが以前から取り組んできています。今年度「せんとくんプレミアム商品券」、「奈良県南部・東部地域プレミアム商品券」の2種類が発行されました。

プレミアム商品券によって県内での買い物が増えるだけでなく、お商売をされている方にとっては新たな顧客を呼び込むチャンスにもなりますので、私はこの制度そのものは意義があるものだと思います。

奈良県は「せんとくん」というキャラクターを生かした独自色もありますし、今年は「奈良県南部・東部地域」に特化したものも発売されました。さらに政府の緊急経済対策によって、県内の各自治体でも様々な形でプレミアム商品券が発売され、県民の側から見ると、お得に買い物ができるこれらの施策は非常に歓迎されていると思います。

しかし、この取り組みはどの程度県の経済活動に効果があるのでしょうか。この事業を行うために毎回運営業務の委託業者の選定が行われ、その後も様々な事務経費が発生することを考えると、費用対効果はどうなのかと考えずにはおられません。

平成26年の「奈良県プレミアム商品券発行運営業務委託仕様書」の事業概要を見ますと「消費税率の引き上げによる消費の冷え込みを緩和するため、県内消費に一定の経済効果があるプレミアム商品券」との記載があります。ここに書かれている「一定の経済効果」とはどれだけのもので、どれだけ県の経済に寄与するものなのでしょうか。

経済効果を謳うのであれば、やはりそれをしっかりと実感できる制度設計と効果の計算が重要であります。業者の選定から発行業務、購入された方にしっかり使っていただくための宣伝、その後の処理に至るまで、必要な経費についても考慮が必要であると考えます。

税金を原資とした制度ですから、経費をかけて販売し、プレミアムをつけて利用していただいた結果、やはり一定の効果が現れなければ、納税者に説明ができません。

そこで知事にお伺いします。これまでに本県が発行したプレミアム商品券の利用実績や本県経済に対する効果について、ご説明をいただきたいと思います。

 

(知事答弁)

県外消費率の高い本県にとって、県内での消費を一層拡大することは、大変重要な課題だと考えています。県内での消費を喚起するためには、県内の小売・サービス業の魅力を高めることが前提となる不可欠な要素です。一方で、県内の広範囲での消費を盛り上げる1つの手法として、プレミアム商品券の発行も有効であると考え、今年度も発行したところです。平成22年度からの過去3回のプレミアム商品券の発行総額に対する利用実績は99.4%となっています。

今回、本県では、県内全域で使える20%のプレミアム付き商品券43億2千万円と、南部・東部地域限定で利用できる25%のプレミアム付き商品券を5億円、合計2種類で、48億2千万円分発行致しました。「南部・東部プレミアム商品券」は完売し、「せんとくんプレミアム商品券」も大変好評で、まもなく完売の見込みとなっております。

経済効果の測定については、2種類の効果を測定すべきであると考えます。1つは「消費喚起額」で、これは商品券で多め・高めに消費した金額の測定です。商品券がなければ買わなかったが、余計に買ったというのが、「消費喚起額」の測定です。もう1つは、「消費流出抑制額」の効果です。商品券がなければ、県外で消費したが、プレミアム商品券があるので県内に戻って消費された額です。これら、「消費喚起額」と「消費流出抑制額」の効果測定ですが、平成22年度、23年度、26年度の3回の試算の合計が、約44億9千万円であり、45億円の効果があったということです。それに対する税金などの経費は約12億3千万円であり、相応の県内での消費拡大効果が発揮されたと認識しています。少ないと言われるかもしれませんが、確実な効果がありました。また、今年度の発行では、平成26年度の実績から推計し、約17億円の県内消費拡大効果を見込んでいます。

現在、プレミアム商品券発行と併せて、利用促進のために、店舗や商店街の広報活動などの販売努力や店舗などのサービス改善の努力もしてもらっており、それらを通じて、県内消費の持続的拡大につなげていくことが必要と認識しています。一時の消費拡大効果だけでなく、県内消費に戻る習慣をつけてもらうことが、商品券発行のもう一つの大きな狙いです。そのためには、にぎわいづくりのイベント実施、「奈良で買うと楽しいな、面白いな」ということが1つのやり方としてありますが、本質的には、魅力あるお店づくり、良い物を売る店、及び経営感覚に優れた商店主の育成が重要だと考えています。そのような持続的、将来的な効果を期待してのプレミアム商品券発行ですが、さしあたりの経済効果の分析を進めながら、県内での中小店舗での消費拡大、また県内の中小店舗のサービス改善、販売物の向上を期待するところです。

前のページヘ戻る

松尾いさお事務所

TEL:0746-34-5221