議会報告ASSEMBLY REPORT

2016.01.13 カテゴリ:平成27年12月定例会 災害復旧事業について

最後に、災害復旧事業について、お聞きしたいと思います。

平成23年に発生した紀伊半島大水害における奈良県南部地域の3日間の総降雨量は、最大で1,600mmを超え、明治22年の十津川大水害以来の大災害となりました。

県内では行方不明者も含め、24名もの方々が犠牲となられました。また、180戸を超える家屋で一部損壊などの家屋被害が、公共土木施設においても、県、市町村あわせて、道路災害が約300箇所で、また河川・砂防災害が約130箇所で発生するなど、大きな被害を受けました。

県はこの南部地域の少しでも早い復旧・復興をめざし、国や市町村と連携を図りつつ、全力でこの災害復旧に取り組んできました。現在では、いくつかの大規模な工事を除き、ほとんどの箇所で工事は完了しております。この間の関係者のみなさまのご尽力に心から感謝と敬意を表します。

しかしながら、現在も継続中の大規模な河川災害復旧工事箇所において、本年7月の台風11号による出水時に、いくつかの河川護岸で再び大きな損傷を受けてしました。

工事の途中であった護岸の一部が河川の増水によって崩壊してしまい、再び災害復旧事業が必要となったものです。

自然災害は予測がつきませんので、思ってもみなかった事態が発生するのはやむを得ないと思います。また、今の我が国の気象状況は突発的なゲリラ豪雨など、数十年前とは明らかに異なってきています。

しかし、それでも6月に入れば梅雨、そのあとは台風シーズンということは今も同じですし、梅雨から秋口までは前線の停滞や台風で大雨が降ること、特に7月、8月に台風が来るということは想定の範囲内ではないかと思います。

護岸工事は大規模な工事でみなさまのご苦労は十分理解できますが、少なくとも予想できる気候条件に対する何らかの対策は取れなかったのでしょうか、過去の事例や災害査定設計の原則である原状回復にこだわり過ぎたことで、無駄が生じてしまったのではないかと考えています。この前壊れたところがまた壊れてしまった、ということでは周辺住民の方も安心して生活することが出来ませんし、また納税者である県民、復興を願って義捐金を下さった皆様に対しても、私は説明が出来ないと思います

そこで、県土マネジメント部長にお伺いします。

本年7月の出水により、一部崩壊した護岸工事の被災の原因は何であったと考え、どのように分析されているのでしょうか。また、今後、出水に対する対応をどのように考えていかれるのでしょうか。お伺いいたします。

 

(県土マネジメント部長答弁)

本年7月の台風11号では、7月15日~18日にかけて、熊野川流域において500㎜を超える降雨があり、紀伊半島大水害の際に被災し、災害復旧事業を進めていた河川施設4箇所で、工事中の護岸が流されるなどの被害を受けました。

熊野川流域におきましては、6月中旬から10月下旬にかけて、いわゆる「出水期」には、通常、河川内において工事を行いませんが、やむを得ずこの期間内に工事を行う場合には、過去10年間のうち2番目となる出水でも治水上の安全性が確保できるよう措置しております。すなわち、護岸工事であれば、過去10年間のうち2番目となる出水の高さ以上に施工しておくということでございます。

今回、災害を受けた4箇所につきましても、このような考えのもと工事を進め、出水期を迎えたわけですが、
 ①台風11号による出水の水位が、出来上がっていた護岸の高さを超えたことによる護岸裏側への河川流水の進入、
 ②台風11号による出水の水位は出来上がっていた護岸の高さを超えなかったものの、すぐ上流部での既存護岸の被災、或いは、すぐ上流で合流する支川の影響による河床の洗掘、
 ③工事に必要な進入路の借地に協力が得られず、上流側の一部分を大型土嚢による応急処置とせざるを得なかったこと、
などの理由により、出来上がっていた護岸が被災いたしました。

今後の工事につきましては、これらを教訓として十分に活かし、こうしたことが繰り返されないよう取り組んで参りたいと思います。具体的には、①追加が必要な工事については、早期に発注し、来年の出水期までに十分な工期を確保すること、②事務所と県庁が連携して日々工事の進捗管理を行うこと、③一部の護岸の大型ブロック化、根固めブロックの大型化や設置範囲の拡大により耐力の向上を図ること、等でございます。

これらの取組により、来年の出水期までに必要な安全性を確保するとともに、1日も早く河川災害復旧事業が完了するよう努力して参ります。

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松尾いさお事務所

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