議会報告ASSEMBLY REPORT

2007.12.10 カテゴリ:平成19年9月定例会 中山間部の町村の振興について

 現在、我が国は、有史以来経験のない人口減少社会となっており、人口の増加を前提として築きあげられた諸制度が機能不全となり、見直しを余儀なくされています。2001年に成立いたしました小泉内閣では、聖域なき構造改革が進められ、その目玉として、国庫補助金の廃止・縮減、税財源の移譲、地方交付税の一体的な見直しを内容とする三位一体の改革が推進されました。人口の増加と経済の成長を前提とした諸制度は制度疲労を起しており、人口の減少を踏まえた新しい制度の構築は不可欠であると考えます。しかしながら、住民に最も密着したサービスを提供する市町村の立場から眺めたときに三位一体の改革がもたらしたものは非常に厳しいと言わざるを得ません。地方分権の大義名分のもと、国から多くの仕事がおろされ、また、少子・高齢化に伴う多くの課題に対応する必要が生じる中で、国の補助金や地方交付税が削られ、税源の移譲も十分ではないといった状況にあります。
 中でも本県は、東京都などの大都市圏と比較して、三位一体の改革の影響を大きく受けているところでございますが、特にもともと税収が少ない中山間部の町村が置かれた状況は、より一層厳しいものがあります。このことは、本年6月から市町村の課題や今後の取り組みについて知事と市町村長が話し合う市町村行財政改善検討会の場で、知事がじかに聞いておられるとおりです。そのため、各市町村では職員を減らし、さらに職員の給料をカットするなどして、行財政改革に血の出るような努力を行っているところでございます。しかし、三位一体の改革の影響があまりにも急激であったがため、あちらこちらから悲鳴が上がっております。このような状況のもと、中山間部の町村が住民に必要なサービスを提供していくためには、支出を抑えるだけではなく、収入の増加を図ることが必要であると考えます。
 そこで、知事にお尋ねします。件は中山間部の町村の振興にどのように取り組んでおられるのか。また、今後どのような方策を考えておられるのでしょうか、お尋ね申し上げます。

 

■荒井知事からの回答

 中山間部の町村の振興は、県政の最重要課題の1つとして考えております。従来から、道路をはじめとする社会資本、生活環境の整備、産業の振興及び福祉医療の充実等、各種の過疎対策事業を実施して、一定の効果が上がってきているとは言えます。しかし、近年中山間地域は、基幹産業である農林業の衰退や高齢化の進展といった課題を抱えていることは事実でございます。このことから、県におきましては、平成17年2月に奈良県過疎地域自立促進方針(後期)に基づいて奈良県過疎地域自立促進計画を策定して、道路網やケーブルテレビ等の交通・通信基盤の整備、農林業の振興や地域の魅力を生かしたイベントの開催などに対するきめ細やかな対策を実施してきたところでございます。中山間地域を含めます地方における行政の主役は、県民の生活を身近で支えられる市町村でございます。
 県の氏名は、対等、協力関係のもと、県民と市町村を支えることにあると認識しております。
これからの取り組みでございますが、本年6月から新しい試みとして、議員もご指摘になりました、県内町村を道路・広域行政機構等により結びつきのつよい6ブロックに分けて、市町村行財政改善検討会を開催して、4ブロックまで開催が終わったところでございます。この検討会では、いろんな地域の課題、あるいはインフラや公共的施設の整備、あるいは今後のまちづくりのあり方について、各ブロックの特性に沿ったテーマで検討を重ねてきております。これまで4回の開催でございますが、いろんな有益な情報を蓄積してきているように思っております。その中で、これから県内でも特に高齢化が進展して、地域活力の低下が懸念されております中南和・東部の地域振興を図るという観点から、県と市町村が連携して、観光交流や定住の促進も含めてさまざまな角度からの振興方策を検討、樹立することを目標にしております。市町村行財政改善検討会での検討の結果、あるいはその他のいろいろ勉強の成果を踏まえまして、本年度末を目処に中南和・東部地域の振興方策をまとめて、関係する市町村の行政健全化と地域の振興を支援していきたいと考えております。

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松尾いさお事務所

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